【所得から考える適正家賃はいくら?】

適正賃料は所得の30%
賃貸でお部屋を借りる場合、
上限賃料をどのように決めていますか?
賃料のことを気にせずに決められる方はそう多くはありません。
自分が支払える賃料、
貸主が審査でOKを出してくれる賃料とはどのような基準があるでしょうか

一般的に、賃貸物件の賃料相場は、
駅からの距離だったり、広さと築年数や設備などで設定されていて
近隣の物件の相場なども参考にしています。
では、
借りる側から考えた支払える賃料は?というと
支払う人の所得が基準になると言えます。
現実的には、支払ってもらえない人に入ってもらうと大家さんは困るし、
入居者さんも余裕がない生活をしなくてはなりません。
一般的に収入に占める支払い賃料の割合は
どれくらいになるか考えて見ますと、
無理のない賃料の所得に占める割合は
3割(30%)くらいを上限と考えるといいと思います。
無駄使いする性格でなければ払ってもらえると考えた場合の割合です。
しかし、その所得が額面なのか、手取りなのかで大きく異なります。
年収制度の会社もありますが、
賃料というのは毎月支払うものであり、
生活費の一部と考えるので
手取り月収を基準に考えた方がよいでしょう。
社会保障費や税金を差し引くと
約8割ぐらいが手取りと考えます。
年収の場合も同様に考えて、
年収×80%÷12=手取り月収と考えます。
そこから、貯蓄を15~20%、賃料が30%、
残りの45~50%で生活を賄うわけです。
●例として、年収300万円の単身者がいるとします。
300万円×80%÷12=20万円・・手取り平均月収と考えます
20万円×30%=6万円・・・・・この6万円が賃料として支払って、
無理のない金額と考えます。
生活費として14万円から、光熱費、食費、交際費、被服費などが賄われ、
貯蓄もこの中からする計算です。

大家さんの考える入居者像はどんな人でしょう

逆に大家さんから考えて、
自分の物件にどのような所得の人が入れば、
無理なく賃料を支払ってもらえて長く住んでもらえるかが、わかると思います。
  • 5.5万円の賃料なら、手取り月収18.3万円、
    手取り年収約220万円、額面約275万円となります。

  • 15万円の賃料なら、
    手取り月収50万円、手取り年収600万円、額面約750万円となります。
ファミリー層の場合は、子供さんのいるいないでも異なるし、
貯蓄率をもう少し低めに見積もっても良いかもしれません。

またボーナスがある場合も、
それは非常時を考えて考慮しないで考えた方がよいでしょう。
ボーナスは会社の利益が出ないときは下がったり、
出ないことも考えられるからです。
入居審査時の所得証明はこのような事を参考にみます。
また、所得だけで判断できるものではありません。
保証人さんや仕事、人物像についても考えるのが大切です。

大家さんにとって賃料を滞納されることが一番困ることであり、
避けたいことであります。
入居者さんにとっても、
生活費を食い詰めて賃料を支払っていく事は無理があります。
将来のためにも、仕事をしていれば貯蓄をしてこそ、
生活設計が成り立っていきます。
空室が増えてくると、
少しぐらいならと、入居してもらいたいと
思う大家さんの焦る気持ちはわかりますが、
その無理がひいては賃料の滞納に繋がり、
お互いに無駄なエネルギーを消費することになったり、
極端には夜逃げ状態になったり、
裁判に持ち込まざるを得なくなる最悪の事態も考えられます。
できる事なら、入居者さんには円満に生活していただき、
長く気に入って住んで頂くことが一番いいことです。

貸主借主のマッチングも大事

大家さんは、
「自分の物件の賃料ならこのような人が来てくれそうだ」
とペルソナを設定することで、
その人にアプローチできるようなリフォームの仕方やアイデアも生まれます。
入居者さんも賃料を支払って、
しかも無理なく楽しむ余裕のある生活をして、
所得の上昇とともに次の引っ越しを考えるゆとりが生まれます。
別に引っ越して行ってもらいたいわけではありません、
次の引っ越し先を考えるときの参考として頂けると
将来の生活設計が出来ます。
現実的に考えて、
大家さんに対しても、借主さんに対しても
真摯に向き合うプロに相談にのってもらうことが一番と考えます。